【薬局M&A】M&Aとは?初心者でもわかる解説

中小企業のM&A・事業承継を支援するサクマ・キャピタル・パートナーズです。
近年、調剤薬局のM&A・事業承継に関するニーズを多くいただくようになり、当社でも調剤薬局に専門特化したM&A・事業承継支援サービスの提供を始めました。

本コラムシリーズでは、M&Aを検討している中小零細の調剤薬局オーナーや独立を検討する薬剤師、薬局ビジネスの買収・展開を検討されている企業担当者の方などに向けて、薬局M&Aに関して役立つ知識をご提供していきたいと思います。

今回は、そもそもM&Aとは?という点を説明していこうと思います。

M&Aの概要

近年、ニュースやビジネスの現場で頻繁に耳にする「M&A(エム・アンド・エー)」。
これは「Mergers and Acquisitions(合併と買収)」の略称で、企業同士が一つになる、または一方が他方を買い取ることを指します。
単なる企業の売買ではなく、経営戦略の一環として行われる重要な手法です。

かつては大企業の話と思われていたM&Aですが、いまや個人経営の薬局や小規模チェーンでも一般的な選択肢となっています。

M&Aの手法

M&Aと一口に言っても、実際の進め方にはいくつかの形(スキーム)があります。
薬局業界では、以下の3つが代表的です。

株式譲渡

最も一般的な手法で、経営者が持つ会社の株式を買い手に譲渡する形です。
法人格をそのまま引き継ぐため、従業員の雇用や取引先契約、保険薬局指定などを維持できます。
手続きが比較的スムーズで、小規模薬局に最も多く採用される手法です。

例:株式会社A薬局のオーナーが、保有株式100%をB薬局グループに譲渡し、B社傘下に入る。

事業譲渡

薬局の店舗・従業員・設備などの事業資産だけを譲渡する方法です。
会社そのものではなく事業単位で引き継ぐため、不要な資産や負債を切り離せます。
ただし、契約関係を一つずつ移転する必要があるため、手続きが煩雑になる点に注意が必要です。

例:A薬局が運営する1店舗のみを、B薬局に事業譲渡。A社自体は存続。

合併(吸収合併・新設合併)

複数の薬局が一つの法人として統合する手法です。
「吸収合併」はどちらかの法人に統合する形、「新設合併」は新会社を設立して統合します。
薬局チェーン同士の規模拡大や、地域連携を目的とした共同経営型M&Aに用いられます。

M&Aのメリット

売り手側のメリット

  • 後継者不在でも事業を存続できる
  • 従業員の雇用と患者へのサービスを維持できる
  • 譲渡益を得て、安心して引退できる

買い手側のメリット

  • 新規出店より低コストで地域に進出できる
  • 優秀な薬剤師や既存顧客を確保できる
  • スケールメリット(仕入・在庫・システム統合等)を享受できる

地域医療への貢献

薬局が閉店せずに続くことは、地域医療の維持そのものにつながります。
患者さんにとっても「いつもの薬局が変わらず営業している」ことは安心感になります。

M&Aの流れ

薬局の経営者が「売り手」としてM&Aを進める際の一般的なステップは以下のようになります。

  1. 目的の整理(なぜM&Aをしたいのか等)
  2. M&A仲介会社等への相談・秘密保持契約(NDA)の締結
  3. 企業価値の算定・案件概要書等の作成
  4. 買い手候補への打診
  5. 特に関心のある買い手候補との面談・Q&A・条件交渉
  6. 意向表明書の取得・基本合意書の締結
  7. デューデリジェンス(詳細調査)
  8. 最終契約締結
  9. 譲渡実行
  10. 引き継ぎ・PMI(統合)

よく「M&Aが完了するまでにはどのくらいの期間がかかりますか?」という質問をいただきますが、これは本当にケースバイケースです。
早い場合には3か月程度で譲渡実行までたどり着く場合もありますが、多くの場合は半年から1年程度はかかると思った方がいいでしょう。
場合によっては最初に検討し始めたときから3年以上の時間をかけてM&Aを成立させたケースもあります。

M&Aのポイント

早めの準備が肝心

理想的な譲渡相手を見つけるには時間がかかります。
引退や事業承継を意識した段階で、少なくとも2~3年前から動くのが理想です。

信頼できる専門家に相談

M&Aには専門知識が不可欠です。
経験のあるM&A仲介会社やアドバイザーに相談しながら、慎重に進めることが肝心です。

まとめ:M&Aは「育ててきた薬局を守るための選択」

薬局のM&Aは、単なる売買ではなく、地域医療を守るための経営戦略です。
後継者不足で悩む経営者にとっては「想いを託す手段」であり、
買い手にとっては「地域に根付く機会」となります。

時代の変化に合わせて、M&Aを「終わり」ではなく「新しい始まり」ととらえ、
自社に合った方法で未来へバトンをつなぎましょう。

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